ゲームを完全クリアしてない人はよまないことを 強くお勧めします。 霧島 佳乃 シナリオ 翼人の羽根にまつわるサイドストーリー的な話ですね。 羽根に閉じ込められた、白穂の思念によって、佳乃がおかしくなってしま う。 ……まぁ、それだけですね。 遠野 美凪シナリオ 夢の話。そして、空の少女(=神奈)の話ですね。 みちるが、自分は空の可哀想な少女から、羽を一枚だけもらって、それで 美凪に会いに来た。と言っています。 そして、色んな人が見た様々な思い出(=記憶)が入っているとも言って います。佳乃シナリオと違って、少しは救いのある話です。 佳乃、美凪ともに、観鈴シナリオの補足的な話になっています。 神尾 観鈴&SUMMER&"AIR"シナリオ で、観鈴シナリオです。 まずは、どうして観鈴は夢をみたのか、そして神奈は救われたのか? SUMMER編で、裏葉がその辺のことを言っています。要約してみると 翼人は夢を子孫に引き継がせる。その夢とは記憶のことである。それを 子孫に引き継がせるときに、同時にその呪いも引き継ぐ。だが、神奈は最 後の翼人であり、その記憶(+呪い)を引き継いでくれるものはない。 例え、人として転生しても、人の容量では翼人の記憶(+呪い)を受け 継げないため、全てを受ける前に死んでしまう。つまり、神奈は永遠に呪 いから逃れる術はない。 この人として転生した神奈が観鈴達(観鈴とその前世)であろう。これ により、夢を見るとは、その記憶と呪いを受け継ぐということで、夢を見 続けると死んでしまうということが説明つきます。二人が近づきすぎると 二人とも病んでしまう、というのも呪いの影響でしょうし、すべてを忘れ てしまうというのも、翼人の記憶が大きいからでしょう。 ですが、観鈴は誰も出来なかった、ゴールに到達した。ゴールとはすべ ての記憶を受け継いだということなのでしょう。つまり、これで神奈は解 放されたことになります。 その後、観鈴がどうなったのかは、難しいところです。 では、最後の少年少女の二人は誰か? という事になります。 誰でもない! これが、私の結論です。 万人にすぐ思いつくのは、「観鈴&往人」の転生だという考えでしょう。 しかし、この説が成立するには、少なくとも「観鈴シナリオトゥルーエン ド後」という事が大条件になります。所が、今後BAD、もしくは他シナ リオに転ぶ可能性のある、DREAMの最初で、観鈴が「(二人の子供に)出 あった」と言っています。これでは、この説を説明する事が出来ません。 次に「柳也と神奈の転生」であるということ。これは、最後の女の子の 髪の色が神奈と同じ事から、ある程度納得がいきますが、やはり観鈴トゥ ルーなら、神奈を空から開放できるかもしれませんが、それ以外ではやは り、空に縛られたままでしょう。 そう考えると、この二人は何者でもない。もっと、分かりやすい言葉に 置きかえるとこの二人はプレイヤーのことである。 さて、何故プレイヤーかということは、少し置いておいて、何故、こう なってしまったのかを振り返ってみたいと思います。 言うまでも無く、問題は神奈が、術によって閉じ込められた所でしょう。 これは観鈴も夢で「みんなが閉じ込めようとしていた」と言っています。 そして、「そら」は、星を見て「帰ってきたくても帰って来れない」と言 っています。これから、そらは神奈が、ずっと閉じ込められたまま、かえ って来れない世界ということになります。 すると、観鈴はなんなのか? これは「もうひとりのわたしが、そこ にいる」ということから、観鈴は、神奈が、強く地上に戻りたいと思うが 故に生まれた半身ではないか、と推測できます。それは、遠野美凪と同じ 「夢」と見ることが出来ます。そう考えると、『そこで少女は、同じ夢を 見続けている』というのは、この地上の半身の夢なのではと想像できます。 地上の神奈の半身→救えない→大人になれず死んで行く→空の神奈は生 きているため、また地上の半身生まれる→救えない→……。 こういうことを、1000年繰り返して来たのでしょう。 そして、ラスト付近のCGをみれば分かるとおり、神奈は開放されたよ うです。これは、観鈴&往人がゴールした結果でしょう。 つまり、AIRはこの1000年の話の始まりと終わりを語ったものだ と思われます。そして、最後の母と子の対話のシーン。これは、誰が誰に 言っているのでしょうか? 往人の場合とは会話が違います、では翼人か? とも思えますが、そうすると「星の記憶を担う最後の一人」は神奈という ことになります。これはこの星の記憶が途絶えてしまうことになって、あ まりうまく行きません。 ということは、これは「誰が誰に」という限定されたものでは無く、 「人類」に向けて発されたメッセージではと想像できます。つまり、星の 記憶を担う種族とは、人間という事になります。このメッセージを「人間 はいつか、滅びるけど最後のときは幸せであって欲しい」というメッセー ジだと理解できます。 そうして、この場合、プレイヤーに向けられています。すると、例の最 後に出てきた少年・少女がプレイヤーというのも、納得がいくのではと思 います。 小さな影たちは、歩きはじめた。 どこまでも遠く、おわりのない道を歩きはじめた。 その先にあるものを怖がらずに、前に進んでいく。 つまり、「悲しいことがあっても、それを乗り越えて最後には幸せに」こ れが、AIRの言いたかった事では、と思います。