タイトル | 処女はお姉さまに恋してる | |||
メーカー | キャラメルBOX | |||
ゲーム種別 | 18禁 | ゲームジャンル | ADV | |
ゲーム性 | 普通 | シナリオ区分 | ほのぼの | |
シナリオ評価 | A- | キャラクター評価 | A | |
グラフィック評価 | B(HCG率:31%) | システム評価 | B+ | |
魅力 | A+ | 総合評価 | A- | |
コメント | キャラメルBOXの作品としては、「BLUE」「めぐり、ひとひ ら」「シャマナシャマナ」とやり続けていたのですが、今回は、女 装物と知って「……それはちょっと」と回避気味だったのですが、 体験版やってみて即予約に走りました。 ■シナリオ 決して何かが突出しているシナリオでは在りませんでした。ハン カチが必要なほど泣けるというわけでもなく、腹が痛いほど笑える という物でもない。 ですが、時に笑え、時にしんみり出来、時にほのぼの出来、時に 萌える。そういった話はとても貴重かつ理想的だと思います。 お約束のシーンしか無いのですが、それを感じさせない魅せ方や テンポ等もお見事。伏線の撒き方はちょっとあからさまですが、回 収はうまくいっていました。 何より、この世界でこのキャラ達の話を書くのはシナリオさんの 力量がまともに出てしまい、ある意味、最高難度のテキストと云え るかと思うのですが、それを力押しや小手先でないしっかりした知 識や技術でカバーしたシナリオさんに素直に感服。 しっかり世界を作って、しっかりとした会話をさせて、決めるシ ーンではしっかりと決める。ああ、上手い。 (納得できない方は、日常シーンや学園イベントなどのSSを書い てみると、一見簡単そうに見えて非常に難しいというのが解ると思 われる) ■キャラ 概ね良く出来たキャラ達でメイン・サブ共に十二分な出来。だが、 やはり注目すべきは主人公だろう。 主人公は一番力を入れるべきキャラのはずで、所がその難しさか らどこも今ひとつ凡百の主人公しか作れないというのが多いのだが。 ここは力技で来た。 主人公にはプレイヤーが一番自己投影しやすいキャラであって、 如何にそれを楽しめるかがポイントになる。 勉強も運動も出来て家柄もルックスも最高、おまけに性格も良い と、こうなると優越感は楽しめるのだが、逆にプレイヤーとの差を 感じてしまい、まったく感情移入できないキャラになってしまう。 これだけだと小学生の書く話の主人公だが、ここに女装させるとい う要素と気の弱さという要素(もちろん女子校という舞台も影響) を与えるだけで、その中和に成功してしまっている。 まあ、このブランドは過去の作品でも、しっかりと主人公キャラ を作り込んでいるので、「今回もお見事でした」というほか無いか。 ■CG 一枚絵、立ち絵、背景絵、質・量ともに問題ないが、シナリオと CGが合ってないところが何箇所か見受けられて、シナリオさんと 原画さんのコミュ不足を感じた。 また、「その他一般生徒」をあらわす立ち絵だが、髪型などから しっかりした「個」を感じてしまい、同じ立ち絵を複数のキャラで 使われることに激しく違和感を感じた。もっと、平凡化して「個」を 消してしまってほしかったところ。 普通のゲームなら立ち絵なしやシルエットなどで良かったのだが、 一般生徒に騒がれるシーンなども多い為難しいところではある。 HCG率は31%。シナリオの割には多い感じだが、使えるかとい うと微妙なところがある。 ■システム システム的には概ね満足。操作性・安定度・鑑賞ともに一定のレ ベルに到達していつ為、あまり不満は無い。唯一はセーブ数の少な さか(100箇所は欲しかった)。PCへの負荷は高め。 ゲーム的にもオーソドックスな好感度タイプのADVである為大 きな問題は無い。難易度的には殆どのキャラは簡単だが、一部に躓 きやすいキャラはいた。 どの選択肢でどのキャラの好感度が上がるのか判りにくい、云っ てみれば「意地の悪い」選択肢はいくつか見受けられたが、好感度 があがったのは画面上で確認でき、また「前の選択肢に戻る」もあ るのであまり問題にはならないだろう。 CVがヒロインフルボイス、主人公パートボイスで収録。特筆す べきものは無く、無難に演技をこなしています。 が、他のゲームの印象が強い方もいて、イメージを消すのに時間 がかかるかも。 ■総合 良作。 実に良く出来ている作品で、主人公や世界観が肌に合わないとい う場合意外は、勧められることが出来る。 ……。 ちょっと褒め過ぎた気はする。 ここから下はネタバレです。背景と文字の色を同じにしていますの で、みたい場合は、マウスなどで範囲選択をして下さい。 正直なところ、体育祭や(でかいイベントだと思うのだが無かっ たのか?)マラソン大会の描写や、街角で男時代(って言い方悪い か?)の友人との遭遇や、下着を購入する瑞穂ちゃん、学園中にバ レるENDなど、見てみたかったシーンはまだまだある。ファンデ ィスクなど出していないキャラメルBOXではあるが、この作品と 世界にはもう少し浸らして欲しいところ。 貴子、可愛すぎ 瑞穂ちゃん、可愛すぎ 一子ちゃん、健気すぎ ネタバレここまで ……しばらく、どのメーカーも女装・女子校侵入物は作れないん じゃないかなあ……。 |