タイトル | Clover Heart's | |||
メーカー | ALcot | |||
ゲーム種別 | 18禁 | ゲームジャンル | ADV | |
ゲーム性 | 低い | シナリオ区分 | シリアス・ほのぼの | |
シナリオ評価 | A | キャラクター評価 | B+ | |
グラフィック評価 | B+(HCG率:43%) | システム評価 | B+ | |
魅力 | B+ | 総合評価 | A- | |
コメント | 個人的に萌えまくった月陽炎のスタッフが作ったということで、最初の発表 から、ずっと期待していた作品です。 シナリオには、大きな文句なし。特に会話文はしっかりと書かれていて(ど うもゲームに出てくる会話というのはダメなのが多いだけに)非常に好印象。 また時折出てくる、心理面を反映させたような情景描写も独特の雰囲気が出て いて良い。シナリオの内容的にも、安易な結末や展開に逃げず、それぞれをキ ャラを書きながら、しっかりとしたドラマを見せてくれていて良かった。特に 主人公の駄目な部分の内面描写は非常によく書けている。それに伴い成長も描 かれている。なかなかこうしっかり書けるものではない。 不満をあげるとすれば、中盤の中だるみと伏線の使い方。中だるみの方は、 山場が急展開だけにそう感じるだけかもしれないが、ちょっと冗長部分が目立 った。伏線は、あからさまに伏線と分かるものしか無く、また伏線と思わせて 何でもなかったりして肩すかしを食らう面があった。シナリオ終盤で「ああ、 そういえば……」と思える物がなかった。いくらでも書けるところはあったと 思うのだが。 それから、意外性が無いこと。イベントがあっても「ああ、この後○○な展 開になるんだろうな」と思うと100%そうなってしまう。もう少し、プレー ヤーに先読みさせない展開が欲しい。 キャラには、特別なほどの魅力は感じませんでしたが、どのキャラもシナリ オの方でしっかりと書かれているので、その魅力を余すところ無く出し切って いるという印象です。また、メインヒロインに限らず、サブヒロイン、端役キ ャラまでしっかり書かれているのは好印象。ただ、端役に関しては似たような 設定が多く、そこだけマイナス。 CGは、一枚絵、立ち絵、背景絵のどれをとっても標準以上。枚数はどれも 少な目だが、スクリプトなどでうまくカバーしており、また必要なシーンには しっかりと絵を用意していてさほど不足感は感じない。CG枚数が少なくても しっかりとシナリオを書けるという見本か。 残念なのは、画面モードが640*480であったこと。一般的な画面サイズが1024* 768以上になっている今では、このサイズは小さいと感じ、フルスクリーンにす るとジャギーが目立ってしまいどうにも良くない。ここは800*600で作って欲し かったところ。 HCG率は44%と、このジャンルのゲームしては多めでこれも不満感はない。 シチュエーションもそれなりに用意されていて良くできている。 システムについていくと、基本的なシステムには問題なし、セーブ数・バック ログ・キーボード操作と一通り揃っているし、クリア後の鑑賞もCG,音楽,エ ンディング、プロローグ、立ち絵、Hシーンと至れり尽くせり。この辺に不満は 全くない。 ゲームの方に目を向けると、まず、4章構成*2主人公の8章仕立てになって いる。それぞれにOPアニメやエンディングが付いているところをみても、OV Aか、TVアニメ的な展開を見せたのかもしれないが、難易度を下げるという以 外はあまり演出には協力していない印象がある。まあ、とりたてて悪いという物 でもないが、折角の章仕立てをうまく利用しきれなかった感じはある。 また、折角の対視点というシステムも上手く活用できていなかった気がする。 演出面でも標準以上の出来で、手放しで褒めても良いのだが……月陽炎をやっ ている所から見ると二番煎じという感が拭えない。それが持ち味と言われればそ れまでなのだが。 気になったのはサブヒロインシナリオ。これ必要あったのだろうか? キャラ 的には話を魅せるので絶対に必要だったと言えるのだが、個別ENDを用意する 必要があったとは思えない。メインヒロイン二人に絞っても良かったのでは。 難易度は低い。選択肢があからさまに、正解か不正解かゲーム慣れしていれば 分かるもので簡単に正解の選択肢を選ぶことが出来る。慣れていない人でも4章 仕立てという事で、間違ってしまっても、その章からやり直せばよく、また選択 肢数も少ないので、すぐに正解できる。 CVが主人公以外フルボイスで入っていて、これは最高レベルの演技力を見せ てくれている。勿論、ヒロインクラスだけでなく、端役キャラにまで力を入れて いて山場を盛り上げるのに非常に役立っている。素晴らしい。 トータルして、どこを取っても標準以上の出来で、幅広く薦めることが出来る。 久々に手放しで褒められる作品でした。 |