第26章

》 変わらないもの 《

※ このSSは、Tactics制作のWin95版ソフトONE 〜輝く季節へ〜を元にしています。引用文・作品名・名称などの著作権はすべてTacticsが所持しています。

※ あ、あとゲームやってないとたぶん、意味不明です。ぜひ買ってプレイしましょう(18歳以上になってからね)PS版とは内容が違うことが大いにあります。はい。




七瀬「折原っ!!」

浩平「な、な、な、なんだああっ!」

予備校で、うつらうつらと寝ているところで、急に七瀬の声を聞いたので、変な声を出してしまった。

浩平「お前は、乙女は人の安眠を妨害しないものだぞ……」

ぐるっと、辺りを見渡してみると既に人影はない。

どうやら、授業中に眠ってそのまま塾の授業時間が終わってしまったようだ。

七瀬「折原の、そのセリフにも飽きたわ…」

流石に、毎日乙女、乙女、を言い続けると効果が無くなるらしい。

浩平「って、どうして七瀬がここにいるんだ?」

七瀬「あっ、そうだったっ!」

浩平「強盗か?」

七瀬「んなことするかっ!」

浩平「悪かった、誘拐の間違いだ」

バキイイイイイイイィィィッ!

下の机まで割れそうな勢いで、鉄拳がオレの頭にヒットした。

七瀬「殴るわよ」

浩平「殴ってから言うなっ!」

周りに誰も居ないので、七瀬はちょっとしたことで、地モードにはいる。

逆鱗に触ることはないだろう。

浩平「よし、帰るか七瀬」

七瀬「うん、途中で温かいものでも飲みたいな……って、違うッ! どうしてくれんのよっ!!」

浩平「ん? なんだ?」

まったく要領をえない。

七瀬「私の、私の乙女の体を返してよおっ!」

端から乙女の体じゃない、と言おうとしたが、乙女三連撃を喰らいそうなので止めておくことにした。

浩平「だから、順を追って話せ!」

七瀬「前に、折原に体重が増えたって相談したでしょ?」

浩平「あ、ああ、そんなことあったかな?」

七瀬「あったっ!」

七瀬から、どうでも良いような相談を受けることは多い。

よって、全く覚えていない。

七瀬「まさか、覚えていないなんて言わないわよね」

重攻撃の体勢移る七瀬……って、やばい。状況解説してる場合じゃない。

浩平「思い出した、思い出したっ!」

七瀬「それで、折原がなんて答えたか覚えてる?」

浩平「ぐあ…」

当然、覚えているわけがない。

浩平「ああ、あれは………乙女のダンスをしろ……だったか?」

バキイイイッ!

重攻撃が入った。

何か、恨みでもあるんだろうか?

七瀬「はあっ、折原の言葉を信じた私がバカだった…」

浩平「で、オレはなんて言ったんだ?」

七瀬「腕立て20回、腹筋20回、背筋20回を1セットとして、10セット毎日やれって……」

浩平「お、お前、まさか全部やったのか…?」

七瀬「そんな訳無いじゃない」

そりゃそうだ。いくら七瀬が強いとは言え、毎日200回も…。

七瀬「私は、腰が悪いんだから背筋は出来ないわよ」

………。

と、いうことはこいつは、毎日腕立てと腹筋を200回……。

七瀬「そしたら、痩せるって言ったのにっ……逆に体重増えたッ!」

浩平「お前な、筋肉ってのは脂肪より重いんだ。そんな、体重なんか増えてあたり……」

七瀬「………」

言葉は全てつげられない、七瀬の顔が「あんた、殺すわ…」になっていた。

浩平「さて、帰るか」

七瀬「だから、勝手に話を切り上げて帰るなっ!」

浩平「運動止めれば、すぐに筋肉なんて消えるだろ」

七瀬「はうっ…」

少し考えれば分かりそうなもんなのに、こいつはバカだからな…。

浩平「それに、体重は増えてもプロポーションはぐっと乙女に近づいたはずだぞ」

七瀬「えっ、なんでっ?」

立ち上がったオレに、慌てて着いてくるように七瀬が聞き返す。

浩平「筋肉で、ぐっと体が締まるからな、ウエストは縮まったはずだぞ」

七瀬「そうなんだ…」

と、言っておけばしばらくは攻撃されないだろう。

びゅううううううっ!

外に出ると、途端に強い北風が容赦なく体力を奪っていく。

七瀬「ね、折原っ……」

みると、七瀬が寒そうにしている………。

ああ…。

浩平「寒風摩擦を……」

七瀬「………」

止めておこう。

…抱き寄せるようにして、くっついて歩く。

夜で、人通りがないとはいえ、かなり恥ずかしいものだ。

だいたい、こんな時に限って、長森だのなんだのが出るに決まっている。

七瀬「ちょっと、恥ずかしいかも…」

同じ考えなのか、そんな感じで下を俯いてしまう。

それが、可愛いと言えば…可愛いと言えなくもない。

二人で、のんびりと夜の街を歩いていく。

七瀬「あ、雪……」

浩平「ん?」

今年もほとんど降らない雪だが、ちらちらと雪が舞い降り始めていた。

去年の雪、今年の雪、来年の雪…。

色々あるけど、オレと七瀬は何も変わらないんだろうな…。

そんなことを思う。

浩平「そういや、今年の山籠もりはいつからなんだ?」

どぐしいいいいいっ!!!!!

重攻撃がまともにヒットした。

訂正。

七瀬の攻撃力だけは、年々強くなって言ってるようだ。

浩平「薄れゆく意識の中でそう思った…。」

七瀬「何言ってるの…?」

 

 

ななぴーです。

えー乙女三連撃だの重攻撃は分かる人だけ分かってください。

内容いまいちどころかいまじゅうくらいだったのに、小ネタだけ使うんだな、俺。


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