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※ このSSは、Tactics制作のWin95版ソフトONE 〜輝く季節へ〜を元にしています。引用文・作品名・名称などの著作権はすべてTacticsが所持しています。
※ あ、あとゲームやってないとたぶん、意味不明です。ぜひ買ってプレイしましょう(18歳以上になってからね)
どこまでも続いている道の上に立っていた。
その周辺は草木がこれまた、地平線の向こうまで続いており、空はどこまでも真っ青だった。
確かに、綺麗な景色ではあったけど、居心地は悪かった、まるで写真の中にでも入り込んだようだった。
ふと、気付くと一人の少女が立っていた。いま、ここに来たような気もするし、ずっと前から立っていたような感じもする。
……いや、どっちでもないか。
「やっと、来てくれたね。浩平。」
その少女が、言った。
「ああ、盟約…だったからな」
ぼくが………いや。オレがこたえた。
「これで、浩平はもう何も無くさなくて済むよね。幸せだよね?」
オレの事を見上げながら、子供のままの少女が言った。
「確かに、この世界では何も無くさないな」
全てが永遠に停止した世界。
何も変わらない世界。
何も失わない世界。
熱的な死の世界。
「でもな、何も失わないって事は、何も得られないってことなんだ」
「………」
「失うから、無くなってしまうから、大切にしたいと思うんだ。それは大事なことなんだ」
諭すように言った。
「でも、どんな大事な物でも、あっちの世界ではいつかなくなっちゃうんだよ?」
「ああ、そうだろうな………でもな、それでもそっちの方が大事なんだ」
「…わからないよ」
「大人になるってことは…、成長するってことはそういう事なんだよ。オレは、永遠の世界よりも、限りある世界の方が好きなんだ」
言いにくい言葉ではあったが、正直に少女に告げた。
「…この世界は、終わらないよ?」
少し考えた後、そう言った。
「ああ、知ってる。でも、今オレが限りある世界を求める心は、昔ぼくが、えいえんを求めた時の心に勝っているはずだ。」
「そうである限り、限りある世界に、輝く世界に帰れるさ。それに………」
一呼吸置いて、少女の顔を見る。しかし、その表情は複雑で、何を考えているのかは、分からなかった。
「帰る場所も、待っててくれる人も居るからな………」
永遠の世界は、相変わらず、姿を変えなかった。でも、少女の表情は僅かに変わったような気がした。
「……じゃ、帰えろっか。私も……帰るよ」
それが、永遠の終わり。