ONE SS第6.5章
〜水戸浩平〜

※ このSSは、Tactics制作のWin95版ソフトONE 〜輝く季節へ〜を元にしています。引用文・作品名・名称などの著作権はすべてTacticsが所持しています。

※ あ、あとゲームやってないとたぶん、意味不明です。ぜひ買ってプレイしましょう(18歳以上になってからね)




折原浩平にそっくりの老人が歩いている。じつはお忍びの旅の途中である。

助さん「浩平ーっ、そろそろ、城下町だよーっ」

そう呼びかけたのは、長森そっくりの助さんだった。

八兵衛「うれしいよ〜、ご飯が食べられるよ〜」

飯を前にして喜んだのは、みさき先輩そっくりの「うっかり八兵衛」だ。

角さん『お寿司、食べるの』

そう、スケッチブックに書いて出したのは、澪そっくの角さんだ。

浩平「お前等、すこしは、役作りしろよな」

頭が痛くなってきた。

 

 

 

★      ☆      ★

 

 

その城下町の、とある暗がりの道。

町娘「ふん♪ ふん♪ ふん♪」

椎名そっくりの町娘が歩いている。やたら機嫌がいい。

町娘「みゅーっ!」

と、フェレットを見つけ、それを追いかける。どうやら屋敷の敷地内に逃げ込んでしまったらしいが、椎名町娘がそんなことを、気にするはずもなく、中へ入り込んでしまう。

 

 

悪代官「ふふっ、柚木屋、そちも悪よのぉ」

ある屋敷の一角で、裏取引をしていたのは、住井そっくりの悪代官だ。

柚木屋「いえいえ、お代官様、ほどでは………」

取引相手は、詩子そっくりの、柚木屋だ。なんと、いまではほとんど手に入らないONEの初回版をたくさん持っている。

悪代官&柚木屋「あっはっはっはっはっはっ……」

町娘「ほえ?」

と、フェレットを追っていた町娘が、その場に入ってしまう。

悪代官「何者っ!!」

その、かけ声で、悪代官の配下の者がずらっと出てくる。

町娘「はえ?」

しかし、町娘は逃げない。

悪代官「捕まえろっ!!」

配下「はっ!!」

柚木屋「意外と椎名ファンも多いからねえ。捕まえて、売りつければ良い金になるよ」

悪代官「そいつは良いな。七瀬の制服より高くなるか?」

町娘「みゅーっ!」

薄ら笑いを浮かべた配下の者が近寄ってくるのを本能で嫌ったのか、町娘が逃げ出す。

配下「待てぃ!!」

 

 

★      ☆      ★

 

 

八兵衛「ねえ、浩平君。ここでいいんじゃないかな?」

そういって、そこそこの宿を指す。

浩平「ま、まあ先輩が良いって言うなら」

助さん「あ、じゃあ私、空き部屋があるか訊いてくるよ」

そういって、助さんが、宿に入ろうしたとき。

町娘「みゅーーーーーっ!!!!」

数人の男(みな、へんな笑いを浮かべている)に、追われている。

浩平「ぐあ、椎名が襲われてるじゃないか」

角さん『椎名さん、じゃないの』

角さん『町娘なの』

おお、澪…じゃない、角さんがつっこみを入れてくれた。

助さん「大変だよっ、助けないとっ! 上月さんもいくよっ!」

角さん『角なの!』

追っ手の男が、椎名に手を伸ばそうとしたとき…。

バシッ!!!!

その手を、スケッチブックで叩くものがいた。

追っ手「な、何者でい!!」

角さん『 上月 澪   名のる名前はないの』

助さん「はやく逃げないと、怪我するよ?」

追っ手「小癪な! やっちまえ!!!」

助さんと角さんに、襲いかかる追っ手。それを、角さんは、見事なスケッチブックさばきで、助さんは、枕を追っ手の顔に押し当てて窒息させていた。

追っ手「ちっ、覚えてやがれ!!!」

そう捨てぜりふを残して、走り去る。

助さん「繭ちゃん、大丈夫?」

角さん『町娘なの!』

二人が、町娘に駆け寄る。

町娘「ほえ?」

どうやら無事なようだ。

浩平「とりあえず、宿に入ろうぜ」

もうすでに。全員が自でしゃべってる。

浩平「って、八兵衛は?」

きょろきょろ、あたりを見渡しても、どこにも居ない。

八兵衛「浩平くーん、ここだよ〜」

ぐあ、既に中に入って、ソバを食っていた。しかも、10皿目。

 

 

助さん「すいません、えっと、旅の者ですが、一晩泊まれますか?」

そういって、中に入る。

女将「はい、ただいまお部屋にご案内いたします」

出てきた女将は、深山先輩そっくりだった。と、いうか上手い、完璧にどっからみても女将だ。

女将「こちらが、『えいえんの間』になっております」

なんか、気になる部屋名だが。まあ、いいや。

女将「では、ごゆっくり」

部屋を出ていこうとするところを、助さんが呼び止める。

助さん「あの、えっと、ここら辺で、有名なお土産ってなんでしょうか?」

女将「そりゃ、ここら辺の名物はONEの初回版ですよ」

浩平「なにっ!? まだ、初回版があるのかっ!!」

女将「ええ、そうなんですが。最近、数が減ってしまって。それで、値段も高くなって、この通り、町も寂れてしまったんですよ」

たんたんと語る。さすがに上手い。一通り語ると。それでは、と言って部屋を出ていった。

八兵衛「残念だよね、浩平君。まだ初回版持って無いんだよね?」

浩平「うーん、繭の事と言い、初回版の事と言い、なにか裏がありそうだな」

助さん「ねえ、繭ちゃん? なんで襲われたの?」

町娘「ほえ?」

浩平「どうやら、怖くて何も喋れないようだな」

八兵衛「どうするの?」

浩平「ちょっと、探りを入れてみるか。お銀!」

そういうと、茜にそっくりのお銀が出てきた。

お銀「…はい」

浩平「悪いけど、ONEの初回版の一件。さぐりを入れてくれないか?」

お銀「…嫌です」

………。

角さん『話が終わっちゃうの』

お銀「…分かりました」

浩平「飛猿も頼むぞっ!」

飛猿「誰が、飛猿よっ!!」

そういって、出てきたのは七瀬そっくりの飛猿だ。

飛猿「なんで、茜がお銀で、私が飛猿なのよっ!!」

浩平「いや、はまり役だと思うぞ!」

角さん『似合ってるの』

飛猿「くっ…!」

 

 

★      ☆      ★

 

 

 

悪代官「うへへ、これだけONEの初回版を独占すりゃ。あーんなことや、こーんなことが…」

お銀「…顔にやけてます」

悪代官「ぬお!? 何者だっ!」

あわててONE購入のレシートを懐に隠す。

お銀「…茜やっこです」

悪代官「おお、茜ファンは、かなりの数いるからな。こりゃ儲かるぞ、さ、さ中に入ってくれっ!」

お銀「…はい」

悪代官(これで、茜の入浴シーンの写真でも、とれば……こりゃ儲かるぞ。そう手はずはこんな感じだ)


悪代官「ま、ま、旅で疲れてもいるだろ」

お銀「…はい」

悪代官「そうだよなあ、疲れたときは風呂にでも入ると、疲れがとれるよなぁ」

お銀「…はい」

悪代官「と、言うわけで風呂にでも入ってこい」

お銀「…嬉しい」


悪代官「と、こうなるはずだ」

お銀「住井さん、顔にやけてます」

悪代官「お、そんなことは良い。ま、ま、旅で疲れてもいるだろ」

お銀「…いません」

悪代官「そうだよなあ、疲れたときは風呂にでも入ると、疲れがとれるよなぁ」

お銀「…疲れていません」

悪代官「と、言うわけで風呂にでも入ってこい」

お銀「…嫌です」

悪代官「と、こうなったわけだ。って、何故!?」

お銀「…何故と言われても」

悪代官「話が進まないから、とりあえず風呂に入ってくれ」

お銀「…分かりました」

 

ちゃぷん。と、音を立てて、雫がたれる。

悪代官「ぐへへ、茜の写真を撮って、大儲け………」

そこへ近づく、悪代官。

風呂の中では、茜が風呂に肩まで浸かっている。

悪代官「茜の生写真………」

飛猿「変態か、おのれはっ!!!」

天井に張り付いていた飛猿が、顔面膝蹴りを食らわす。

悪代官「ぐお」

一言叫ぶと、そのまま倒れる。そこへお銀がでてきて、懐からレシートを取り出す。

お銀「…行きます」

飛猿「ねえ、茜。配役、代えてくれない?」

お銀「…嫌です」

 

 

 

★      ☆      ★

 

 

 

悪代官「くそっ、オレが脇役だからって、散々な目にあわせやがって………」

柚木屋「私も、こんな役なんて嫌。茜とあえないし」

と、そこへ悪代官の手下が入ってくる。

手下「例の町娘の居場所が分かりました」

柚木屋「あの子が、取引のこと喋るとやっかいね」

悪代官「茜で損した分、椎名で得してやる」

 

 

 

★      ☆      ★

 

 

お銀「…戻りました」

浩平「おお、ご苦労。で、どうだった?」

お銀「…はい」

浩平「………いや、はいと言われても困るんだけど」

と、表が騒がしくなる。

手下「やい、ここにいる町娘を出せい!!!」

悪代官「その娘が、柚木屋から盗みをはたらいたんだ。そうだな? 柚木屋」

柚木屋「まったくよ」

町娘「はえ?」

助さん「そ、そんなあ。繭ちゃんはそんな事しないもん」

角さん「………」
ん、うん。

悪代官「やかましい、あの耄碌爺もろとも、切り捨てぃ!!」

浩平「しかたありませんな、助さん、角さん。懲らしめてやりなさい」

助さん「分かったよ」

角さん「………」
んっ!

また、例によって、襲いかかる敵を、スケッチブック殴りと枕窒息で、やっつけていく2人。

悪代官「おのれっ!!」

逃げ出そうとする悪代官だが、その前に、お銀が現れる。

悪代官「お、おまえは茜やっこ!!」

お銀「…はい」

悪代官「写真とらせてくれ!」

お銀「嫌です」

そう言って、傘で鳩尾を突く。ものすごく痛そうだ。

ドゴドゴドゴ…。

飛猿も、壁を破って出てきた。

飛猿「ああっ、乙女のイメージがっ…! もう自棄よっ!!」

暴れまくる飛猿。ものすごく生き生きしてる。

悪代官「おのれ、主役の座は、オレのものだ!!」

種子島で、浩平を狙う。

ひゅん!

風車が飛んできて、悪代官の腕に当たる。

弥七「あはっ、僕も出てこれるなんて、幸せだよ」

出てきたのは、氷上シュンにそっくりの風車の弥七だ。

浩平「助さん、角さん、もう良いでしょう!」

このまま続けてると、 七瀬 飛猿が暴走しかねない。

助さん「ほら、静まりなさいよーっ!」

角さん『静まるの!』

角さんは一人一人にスケッチブックを見せている。とても大変そうだ。

助さん「この、バナーを見なさいよっ!」

 

 

悪代官「そ、それはっ!!!」

柚木屋「ま、まさかっ!!」

角さん『おそれ多くも、ONEの主人公。折原 浩平なの!』

助さん「ほら、控えなさいよーっ!」

ははーーっという感じで、全員がひれ伏す。

浩平「さて、柚木屋店主、柚木 詩子!」

柚木屋「はっ」

浩平「ならびに、代官。住井 護っ!」

悪代官「はっ」

浩平「その方等、ONEの初回限定版を独占し、おのが私腹を肥やそうとした事、この浩平、しかと見届けておる」

悪代官「な、なにを証拠にそのような…」

八兵衛「証人なら、ここにいるよ〜。ね、繭ちゃん?」

町娘「うん」

なにも分からずに頷く。

お銀「これは、ONEを買ったときのレシートです」

浩平「どうだ、これでも白を切り通すか!!」

悪代官&柚木屋「へ、へへーっ」

浩平「その方等、罰として、今後すべてのSSでの脇役を言い渡す! ひったてい!」

どこからともなく、役人が出てきて、二人を連れていく。

悪代官「畜生、オレの主役の座………」

やたら、あきらめが悪い。

角さん『一件落着なの』

角さんがにこにこしながら、スケッチブックを見せる。

浩平「いや、とんでもない落とし穴が待っている」

助さん「えっ!? 悪者はみんなやっつけたよ?」

浩平「…落ちが無い」

………。

 

キャスト

水戸 浩平:折原 浩平
助さん:長森 瑞佳
角さん:上月 澪
うっかり八兵衛  :川名 みさき
お銀:里村 茜
飛猿:七瀬 留美
風車の弥七:氷上 シュン
町娘:椎名 繭
宿の女将:深山 雪見
悪代官:住井 護
柚木屋:柚木 詩子


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