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※ このSSは、Tactics制作のWin95版ソフトONE 〜輝く季節へ〜を元にしています。引用文・作品名・名称などの著作権はすべてTacticsが所持しています。
※ あ、あとゲームやってないとたぶん、意味不明です。ぜひ買ってプレイしましょう(18歳以上になってからね)
カシャアッ!
いつものようにカーテンの引かれる音と、そして目の奥を貫く陽光。
布団がどけられ、体がぐいぐい引っ張られる。
茜「…浩平、おきて下さい」
浩平「うーん、今月は赤字だから学校休む」
茜「…意味不明です」
ズウンンッ!!
と、どこか遠くの方で爆発があったような気がする。
茜「…それに、学校ってなんですか?」
浩平「ぬお、そうだった」
西暦1998年12月。地球は未曾有の危機に落ちていた。突如、地球へとやってきた『だよもん星人』に侵略されつつあるのだ。
その科学力は凄まじく、国連軍では全く歯が立たなかった。
浩平「よし、里村 茜・分析部部長行くぞ!」
茜「…はい」
そこで、全人類の期待を一心に背負っているのが、ここ富士のすそ野にそびえている『国際おね力研究所』だ。
みさき「あ、浩平総統〜」
迎えてくれたのは、川名 みさき・特別通信士だ。
浩平「それはいいけど、総統はやめろって、悪役みたいだから」
みさき「格好良いのに〜」
澪『敵の攻撃がきついの』
特殊スケッチブックに文字を書いて警告を知らせてくれたのは、上月 澪・研究所主任だ。
浩平「ここが、落ちるのも時間の問題か………」
地球の最新鋭の技術があつまったおね力研究所も、日に日に力を弱めつつあった。
長森「地球を征服しにきたんだもん。ほら、そこの地球人。『地球をあげます』と言いなさいよーっ!」
椎名「ほえ?」
浩平「はぁっ…」
このままでは、地球はだよもん星人の手に落ちて、全人類がだよもん星人に改造されてしまう。そんなことになったら………。
みさき「専務っ! 人造人間るみちゃん、完成したよ〜」
浩平「本当かっ! …しかし、オレは専務じゃない」
みさき「可愛いのに〜」
そのまま、研究室へと向かう。
人造人間るみちゃんとは、人類最後の希望である。
いま、人類がもてるすべての科学力・すべての財力・すべてのエネルギーを注いで作られたのだ。これで勝てなければ人類に勝ち目はない。
そう断言できる。
澪『起動するの』
ウィーーンと、安っぽいモーター音がして、るみちゃんが起動した。
七瀬「うーん」
茜「…全システムグリーン。成功です」
澪『説明書なの』
渡されたのは、B5の藁半紙3枚だ。こんなもんなのか? 全人類の結晶は。
ズウウウウウンンン!!!!
激しい振動音。
茜「…敵の攻撃です」
浩平「おね力バリアーをはるんだ!」
澪「……」
うんっ!
澪がボタンを押すと、おね力研究所に氷山型のバリアーが現れる。これで、しばらくは大丈夫のはずだ。
バリイイィィンン!!!
浩平「なにっ!!!」
茜「…バリアーが壊れました」
みさき「なんだか、大変そうだね〜」
大変なんてものじゃない。過去においておね力バリアーが、こんなに早く壊れることはなかった。
みさき「通信が入ったよ〜」
浩平「繋いでくれ」
長森「地球は貰うんだよっ!」
浩平「そうはいかない、全人類はこの『国際おね力研究所』が守ってみせる」
長森「地球は貰うもん」
みさき「通信がきれちゃったよ〜」
浩平「くそっ! 交渉は決裂かっ!」
茜「…交渉などしていません」
澪『あれは、敵の浮遊要塞「8匹のネコ」なの』
なんて事だ。
茜「…敵も人造人間るみちゃんを、恐怖に感じているようです」
浩平「よし、人造人間るみちゃんの初稼働だ」
みさき「ゲート開くよ〜」
ゆっくりとゲートが開く。
澪『発進可能なの』
浩平「よし! 人造人間るみちゃん………発進!!!!!」
ぽちっ。
七瀬「いくわよっ!!」
ずぎゅううううううううううううううんんんんんっ!!!
ものすごい衝撃波を出しながら、カタパルトから出ていった。
浩平「すごい速度だな」
澪『走る速さはマッハ5なの』
浩平「ピット星人と同じか……」
茜「…誰ですか? ピット星人って」
町中を、8匹のネコ号に向かって疾走する、我らがるみちゃん。
子供達「あっ。人造人間るみちゃんだ!」
子供達「がんばれ〜、るみちゃん!」
ぎゅごおおおおおおおおおおんん(留美ちゃんの通過音)
ぐしゃああぁぁっ!!(その衝撃波で何かがつぶれた音)
茜「…るみちゃんによる被害が甚大です」
浩平「尊い犠牲だった…」
そして、遂にるみちゃんは、8匹のネコ号の前に立っていた。
長森「七瀬さん、あしがものすごく早くてびっくりしたよ」
七瀬「ま、ちょっとだけ、体力には自信あるかも」
浩平「よし、SSなんだ。一気に決めてしまうぞ! 『おね力ビーム』だ」
みさき「るみちゃん。『おね力ビーム』を使うんだよ〜」
七瀬「えっ……。『おね力ビーム』?………どうやって使うんだっけ………えっと、説明書は……」
浩平「おい……説明しなかったのか?」
茜「…ちゃんとしました」
澪『留美ちゃんは、脳だけオリジナルのままなの』
浩平「なんてこった……。こうなったら………ロケットパンチだ!」
澪『胸のボタンを押すと出るの』
七瀬「胸のボタンを押すと、ロケットパンチが出るんだって」
七瀬「押してみよーっと」
浩平「ばかっ! 反対の手でボタンを押せっ! 止めるんだ!」
茜「…もう間に合いません」
ぽちっ………。
そうして地球は、だよもん星人の手に落ちたんだよ。