ONE SS第9章
〜最初で最後の一撃〜

※ このSSは、Tactics制作のWin95版ソフトONE 〜輝く季節へ〜を元にしています。引用文・作品名・名称などの著作権はすべてTacticsが所持しています。

※ あ、あとゲームやってないとたぶん、意味不明です。ぜひ買ってプレイしましょう(18歳以上になってからね)




カシャアッ!

いつものようにカーテンの引かれる音と、そして目の奥を貫く陽光。

布団がどけられ、体がぐいぐい引っ張られる。

茜「…浩平、おきて下さい」

浩平「うーん、今月は赤字だから学校休む」

茜「…意味不明です」

ズウンンッ!!

と、どこか遠くの方で爆発があったような気がする。

茜「…それに、学校ってなんですか?」

浩平「ぬお、そうだった」

西暦1998年12月。地球は未曾有の危機に落ちていた。突如、地球へとやってきた『だよもん星人』に侵略されつつあるのだ。

その科学力は凄まじく、国連軍では全く歯が立たなかった。

浩平「よし、里村 茜・分析部部長行くぞ!」

茜「…はい」

そこで、全人類の期待を一心に背負っているのが、ここ富士のすそ野にそびえている『国際おね力研究所』だ。

みさき「あ、浩平総統〜」

迎えてくれたのは、川名 みさき・特別通信士だ。

浩平「それはいいけど、総統はやめろって、悪役みたいだから」

みさき「格好良いのに〜」

澪『敵の攻撃がきついの』

特殊スケッチブックに文字を書いて警告を知らせてくれたのは、上月 澪・研究所主任だ。

浩平「ここが、落ちるのも時間の問題か………」

地球の最新鋭の技術があつまったおね力研究所も、日に日に力を弱めつつあった。

 

★      ☆      ★

 

長森「地球を征服しにきたんだもん。ほら、そこの地球人。『地球をあげます』と言いなさいよーっ!」

椎名「ほえ?」

 

★      ☆      ★

 

浩平「はぁっ…」

このままでは、地球はだよもん星人の手に落ちて、全人類がだよもん星人に改造されてしまう。そんなことになったら………。

みさき「専務っ! 人造人間るみちゃん、完成したよ〜」

浩平「本当かっ! …しかし、オレは専務じゃない」

みさき「可愛いのに〜」

そのまま、研究室へと向かう。

人造人間るみちゃんとは、人類最後の希望である。

いま、人類がもてるすべての科学力・すべての財力・すべてのエネルギーを注いで作られたのだ。これで勝てなければ人類に勝ち目はない。

そう断言できる。

澪『起動するの』

ウィーーンと、安っぽいモーター音がして、るみちゃんが起動した。

七瀬「うーん」

茜「…全システムグリーン。成功です」

澪『説明書なの』

渡されたのは、B5の藁半紙3枚だ。こんなもんなのか? 全人類の結晶は。

ズウウウウウンンン!!!!

激しい振動音。

茜「…敵の攻撃です」

浩平「おね力バリアーをはるんだ!」

澪「……」
うんっ!

澪がボタンを押すと、おね力研究所に氷山型のバリアーが現れる。これで、しばらくは大丈夫のはずだ。

バリイイィィンン!!!

浩平「なにっ!!!」

茜「…バリアーが壊れました」

みさき「なんだか、大変そうだね〜」

大変なんてものじゃない。過去においておね力バリアーが、こんなに早く壊れることはなかった。

みさき「通信が入ったよ〜」

浩平「繋いでくれ」

長森「地球は貰うんだよっ!」

浩平「そうはいかない、全人類はこの『国際おね力研究所』が守ってみせる」

長森「地球は貰うもん」

みさき「通信がきれちゃったよ〜」

浩平「くそっ! 交渉は決裂かっ!」

茜「…交渉などしていません」

澪『あれは、敵の浮遊要塞「8匹のネコ」なの』

なんて事だ。

茜「…敵も人造人間るみちゃんを、恐怖に感じているようです」

浩平「よし、人造人間るみちゃんの初稼働だ」

みさき「ゲート開くよ〜」

ゆっくりとゲートが開く。

澪『発進可能なの』

浩平「よし! 人造人間るみちゃん………発進!!!!!」

ぽちっ。

七瀬「いくわよっ!!」

ずぎゅううううううううううううううんんんんんっ!!!

ものすごい衝撃波を出しながら、カタパルトから出ていった。

浩平「すごい速度だな」

澪『走る速さはマッハ5なの』

浩平「ピット星人と同じか……」

茜「…誰ですか? ピット星人って」

 

★      ☆      ★

 

町中を、8匹のネコ号に向かって疾走する、我らがるみちゃん。

子供達「あっ。人造人間るみちゃんだ!」

子供達「がんばれ〜、るみちゃん!」

ぎゅごおおおおおおおおおおんん(留美ちゃんの通過音)

ぐしゃああぁぁっ!!(その衝撃波で何かがつぶれた音)

 

★      ☆      ★

 

茜「…るみちゃんによる被害が甚大です」

浩平「尊い犠牲だった…」

 

★      ☆      ★

 

そして、遂にるみちゃんは、8匹のネコ号の前に立っていた。

長森「七瀬さん、あしがものすごく早くてびっくりしたよ」

七瀬「ま、ちょっとだけ、体力には自信あるかも」

 

★      ☆      ★

 

浩平「よし、SSなんだ。一気に決めてしまうぞ! 『おね力ビーム』だ」

みさき「るみちゃん。『おね力ビーム』を使うんだよ〜」

 

★      ☆      ★

 

七瀬「えっ……。『おね力ビーム』?………どうやって使うんだっけ………えっと、説明書は……」

 

★      ☆      ★

 

浩平「おい……説明しなかったのか?」

茜「…ちゃんとしました」

澪『留美ちゃんは、脳だけオリジナルのままなの』

浩平「なんてこった……。こうなったら………ロケットパンチだ!」

澪『胸のボタンを押すと出るの』

 

★      ☆      ★

 

七瀬「胸のボタンを押すと、ロケットパンチが出るんだって」

七瀬「押してみよーっと」

 

★      ☆      ★

 

浩平「ばかっ! 反対の手でボタンを押せっ! 止めるんだ!」

茜「…もう間に合いません」

 

★      ☆      ★

 

ぽちっ………。

 

そうして地球は、だよもん星人の手に落ちたんだよ。


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