とりあえず、この場は逃げよう。今の先輩でも学校の外までは、追ってこないだろう。
ダッシュ!!
みさき「逃げちゃ、だめだよ〜」
うげっ、先輩意外と速いぞ。このままじゃ、追いつかれる。
深山「どうしたの、あなた達?」
ナイスでグッドな、タイミングだ、部長!
みさき「あ、雪ちゃん?」
深山「みさき、あんたまた、掃除当番さぼったでしょう」
お!? みさき先輩がおどおどし始めた、これこそ、千載一遇のチャンス!
浩平「を!? こんな所に先輩の落書きが残ってるぞ?!」
みさき「え?!」
浩平「しかも、相合傘のやつだ! さあ〜相手の名前はだれかな〜」
意地悪く、間延びした言い方をしておく。
みさき「え? みちゃ嫌だよっ」
ゴン!!!!
で、そのまま壁に額をぶつける。慌てていたんで、壁までの距離感を間違えてたらしい。
深山「みさき、どうしたの?」
浩平「ま、みさき先輩もうたれ強いから、大丈夫だろう」
みさき「大丈夫じゃ無いよっ」
少しふてくされた顔で、みさき先輩が立ち上がった。
みさき「考えてみたら、こんな所に落書きしてないよっ」
どうやら、たいしたことはないらしい。
★ ☆ ★
それにしても、今日は変な一日だ。まるで全員人が変わったみたいになるんだからな……。
声「ああ、それは俺の所為だ」
浩平「な、何者だっ!」
声のしたほうを振り替えると……………住井じゃないか。
住井「しかし、折原には驚いたよ、良く俺の放った6人の刺客を倒したな」
浩平「ってことは、みんなの様子がおかしかったのは、お前の所為なのかっ!?」
住井「そうさ………………俺が、整体師直伝のマインドコントロールでみんなを操ったのさ!」
本当に、あそこまで操れるのかは大きな疑問だが、そんな事を言い出すと、このシナリオが根本から崩れるので、止めておく。
浩平「何故だ、お前はいい奴じゃ無かったのか?」
住井「…………なんで、なんで俺は、立ち絵が1枚しかないんだぁああ!!」
浩平「は?」
突然、訳の分からないことを言い出す。
住井「そりゃ、おれは脇役だが、あの柚木は別格としても、深山先輩や、果ては広瀬よりも、立ち絵の枚数が少ないってのはどういう事だ」
浩平「それはだな、いい奴はいいやつでも…………どうでもいい奴だったんだ」
住井「く、くそう。お前さえ、倒せば俺の立ち絵も、きっと増える。覚悟しろっ、折原っ」
住井の攻撃。
…………………。
…………………。
…………………。
住井「あれ?」
浩平「やっぱ、たいして影響力が無いから、特に必殺技が出来なかったようだな。さすがは脇役だ。」
浩平の攻撃。
浩平「俺の考え出した新メニュー・餃子(もちろん皮はむいてある)ケーキだ」
住井「んなもの食えるかっ!」
住井は倒れた。
住井「せめて、立ち絵、2枚は欲しかった…………」
浩平「哀れな奴…………」
軽く十字を切っておいた。
★ ☆ ★
長森「……で?」
浩平「だから、今起きると、今説明したようなことが起こりそうだから寝る。ぐーっ!」
長森「はあっ、そんな事、起こる訳無いよ。」
浩平「いや、今にもお前が包丁で、斬りかかってきそうだ。」
長森「包丁なんて、もってないよっ。それより、あんまり長々喋ってるから時間無いよ。」
無理矢理、布団をはぎとられてしまう。
浩平「いや、それはいいとして、落ちが、『俺の想像の産物』ってのは………ここまで読んでくれた人に申し訳が立たないんじゃ無いのか?」
長森「……私の所為じゃ無いもん」