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※ このSS(?)は、Tactics制作のWin95版ソフトONE 〜輝く季節へ〜を元にしています。引用文・作品名・名称などの著作権はすべてTacticsが所持しています。
※ あ、あとゲームやってないとたぶん、というか絶対意味不明です。ぜひ買ってプレイしましょう(18歳以上になってからね)
「くあぁぁぁ・・・・・」
ようやく退屈な午前の授業が終わった。
さて、昼飯でもいただくかな・・・
鞄から二つの菓子パンの袋を取り出した。
う〜ん・・・・・・今日は、これだけでは絶対足りない気がする。
「何、パンと睨めっこしてんのよ」
七瀬が弁当を取り出しながらオレに話しかけてきた。
「七瀬。お前の弁当をオレにくれ」
「何であんたにあげなきゃならないのよ」
「残念だな。それじゃ、学食に言って食べてくるとするか」
「最初からそうしなさいよ」
しかし、ここで引き下がっては折原浩平の名に傷が付く。
七瀬を安心させておいて、その隙に七瀬の弁当箱から、卵焼きを一つ、素早く奪ってやった。
「あー!・・・・・」
しかし、七瀬は、そこまでしか口を開けなかった。まわりに取り巻きどもが集まってきたのだ。
「くぅっ・・・・・」
完璧だ。計算通りだ。これで、乙女を目指している七瀬には、今現在、俺を攻撃するすべはない。
七瀬に遠巻きながら、勝利の笑みを見せ、学食に向かった。
★ ☆ ★
学食はいつも通り、人で溢れ返っていた。
しかし、今日のオレの食欲は、そんな事を気にもかけないほどに暴れている。
やはり、毎日質素な物ばかり食べているからだろうか?
そんな事を考えながら人混みをかき分けていると、知った後ろ姿を見つけた。
「よ。先輩」
「あら。えっと・・・・」
「そう言えば、お互い自己紹介がまだたっだな。折原浩平、二年だ」
「深山雪見、三年よ」
「ところで先輩、1人か?」
「ええ。見ての通りよ」
「一緒にどうだ?」
「そうね・・・いいわよ」
二人とも、自分お食事を持って空いている席を見繕い、向かいどうしに座った。
オレの前にはかけそばと菓子パン二つ。先輩はそれを不思議そうな顔で見ている。
「折原君、結構食べるのね」
「今日は食欲が暴走しているからな。これぐらいじゃ足りないくらいだ」
「その台詞、みさきの前では言えないわね」
どういう意味だ・・・?みさき先輩がダイエット中とか・・・まぁいいか。
「ところで先輩。聞いてもいいか?」
「ええ」
「みさき先輩とは一緒に食べないのか?」
「私だって、四六時中みさきと一緒にいるわけじゃないわよ。それに、あの子と一緒に食べてると、食欲が無くなるから」
オレは顔に?マークを浮かべた。
「折原君も、みさきと一緒に食事してみればわかるよ」
「?・・・そっか」
「そう言えば、昨日派手にぶつかったらしいじゃない」
「みさき先輩から聞いたのか?」
「すごく痛がっていたわよ。『浩平君酷いんだよ〜。ぶつかって黙ってたんだから〜』って」
「あれはさすがに悪のりだったな。でも、男なら誰しも、あの状況なら俺と同じ行動をとるはずだ」
「なによ。それ」
「それだけ、みさき先輩が可愛かったって事だ」
「確かに、可愛い所あるからね。あの子。からかいがいがあるしね」
へぇ・・・おとなしそうな深山先輩も、どうも印象と違うようだな。
「・・・なに?私の顔をじっと見て」
「いや。類は友を呼ぶんだなって思ってな」
「?」
今度は先輩が、顔に?マークを浮かべた。
★ ☆ ★
「さて・・・それじゃ、そろそろおいとまするかな」
食事を済ませてしばらく雑談をした後、オレが教室に戻ろうとしたその時、
「折原君?」
「なんだ?先輩」
「・・・みさきのこと、仲良くしてあげてね」
「?・・・ああ。もちろんだ」
オレはそう言って、学食を後にした。
しかし、オレを呼び止めたときの深山先輩の瞳が、何かしら心に引っかかって、忘れられなかった。