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※ このSS(?)は、Tactics制作のWin95版ソフトONE 〜輝く季節へ〜を元にしています。引用文・作品名・名称などの著作権はすべてTacticsが所持しています。
※ あ、あとゲームやってないとたぶん、というか絶対意味不明です。ぜひ買ってプレイしましょう(18歳以上になってからね)
「やっと来てくれたね」
その声は、懐かしくて、でも忘れられない声・・・
「みずか・・・」
彼女は、あのときと同じ背丈で、オレに微笑みかけた。
「これで、ずっと一緒だね」
「・・・」
「どうしたの?嬉しくないの?」
「みずか・・・」
「ここには、悲しいことはないよ。そう言う世界を、浩平が作ったんだから」
確かに、みずかの言うとおりだった。オレがあのとき、悲しみから逃れたいが為に作り出した世界。それが、今はオレを苦しめている。まさに、自業自得だった。
「みずか・・・オレ、約束してきたんだ」
「やくそく?私とも約束したよ?」
「そうだな。でもな・・・その人との約束は、オレにとって大事な物なんだ」
「私との約束よりも・・・?」
心が軋むような気がした。オレとの約束を、ずっと待ち続けたみずか。その気持ちをむげにするのは、心苦しかった。何より、自分が許せなかった。
「・・・悪かった。みずか」
「なんで謝るの?浩平は、約束を守ってくれたよ?」
オレは、みずかの小さな身体を抱きしめた。
「・・・浩平?」
「ごめん。オレ、戻らないといけないんだ・・・」
「・・・」
「大事な人と、そう約束したんだ・・・」
「・・・」
抱きしめたみずかは、あたたかかった。オレの腕の中にいるみずかは、しばらく黙ったままだった。
「・・・浩平」
「・・・」
「その人、大切な人なんだね?」
「ああ」
「・・・わたしよりも?」
「・・・ああ。オレにとって、一番大事な人だ」
「・・・わかった」
「みずか・・・本当にごめん」
「いいよ。わたしは、浩平が来てくれただけで嬉しいから」
オレは、その言葉に、みずかを抱きしめている腕に力を入れて、答えた。
☆ ★ ☆
(・・・浩平)
誰かが、オレを呼んでいる気がする。
(・・・浩平)
頭の奥から、オレを呼ぶ声が聞こえる気がする。
って言うか、それ以前に寒い。身体が痺れるような感覚に包まれている。
「・・・浩平!」
「・・・え?」
目を開けると、抜けるような青色の空と一緒に、涙を流している長森の顔が目に飛び込んできた。
どうして泣いているんだ?
「浩平・・・よかった・・・死んじゃったかと思ったよ・・・」
「何言ってるんだ・・・?」
「だって!こんな所に倒れてるんだもんっ!」
長森はそう言うと、寝ているオレに抱きついてきた。
・・・そうか。戻ってきたんだな。
「ありがとう・・・みずか」