reason
〜 第11話 〜

 

※ このSS(?)は、Tactics制作のWin95版ソフトONE 〜輝く季節へ〜を元にしています。引用文・作品名・名称などの著作権はすべてTacticsが所持しています。

※ あ、あとゲームやってないとたぶん、というか絶対意味不明です。ぜひ買ってプレイしましょう(18歳以上になってからね)

 

「やっと来てくれたね」

その声は、懐かしくて、でも忘れられない声・・・

「みずか・・・」

彼女は、あのときと同じ背丈で、オレに微笑みかけた。

「これで、ずっと一緒だね」

「・・・」

「どうしたの?嬉しくないの?」

「みずか・・・」

「ここには、悲しいことはないよ。そう言う世界を、浩平が作ったんだから」

確かに、みずかの言うとおりだった。オレがあのとき、悲しみから逃れたいが為に作り出した世界。それが、今はオレを苦しめている。まさに、自業自得だった。

「みずか・・・オレ、約束してきたんだ」

「やくそく?私とも約束したよ?」

「そうだな。でもな・・・その人との約束は、オレにとって大事な物なんだ」

「私との約束よりも・・・?」

心が軋むような気がした。オレとの約束を、ずっと待ち続けたみずか。その気持ちをむげにするのは、心苦しかった。何より、自分が許せなかった。

「・・・悪かった。みずか」

「なんで謝るの?浩平は、約束を守ってくれたよ?」

オレは、みずかの小さな身体を抱きしめた。

「・・・浩平?」

「ごめん。オレ、戻らないといけないんだ・・・」

「・・・」

「大事な人と、そう約束したんだ・・・」

「・・・」

抱きしめたみずかは、あたたかかった。オレの腕の中にいるみずかは、しばらく黙ったままだった。

「・・・浩平」

「・・・」

「その人、大切な人なんだね?」

「ああ」

「・・・わたしよりも?」

「・・・ああ。オレにとって、一番大事な人だ」

「・・・わかった」

「みずか・・・本当にごめん」

「いいよ。わたしは、浩平が来てくれただけで嬉しいから」

オレは、その言葉に、みずかを抱きしめている腕に力を入れて、答えた。

 

☆   ★   ☆

 

(・・・浩平)

誰かが、オレを呼んでいる気がする。

(・・・浩平)

頭の奥から、オレを呼ぶ声が聞こえる気がする。

って言うか、それ以前に寒い。身体が痺れるような感覚に包まれている。

「・・・浩平!」

「・・・え?」

目を開けると、抜けるような青色の空と一緒に、涙を流している長森の顔が目に飛び込んできた。

どうして泣いているんだ?

「浩平・・・よかった・・・死んじゃったかと思ったよ・・・」

「何言ってるんだ・・・?」

「だって!こんな所に倒れてるんだもんっ!」

長森はそう言うと、寝ているオレに抱きついてきた。

・・・そうか。戻ってきたんだな。

「ありがとう・・・みずか」

 

第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話
第7話 第8話 第9話 第10話 第11話 第12話
エピローグ 後書き

 

ONEのコーナーへ

戻る