reason
〜 第8話 〜

 

※ このSS(?)は、Tactics制作のWin95版ソフトONE 〜輝く季節へ〜を元にしています。引用文・作品名・名称などの著作権はすべてTacticsが所持しています。

※ あ、あとゲームやってないとたぶん、というか絶対意味不明です。ぜひ買ってプレイしましょう(18歳以上になってからね)

 

 

あの告白から、一週間経った。

あの後、オレは大道具の補修もあり、大道具部屋に、そのほかの大道具スタッフと閉じこもっていた。おかげで、深山先輩にも会うことなくいられた。

別に、会いたくない訳じゃなかったが、気まずい雰囲気の仲で、何を放せばいいのか見つけるのが、うざったかったので、会わないことは、逆に都合のいい物だと思うようにしていた。

そして、あの告白と同時に、この世界と違う世界を感じるようになった。後ろを振り向けば・・・今にも、オレを飲み込もうとする世界。

そして、希薄になっていく人間関係。学校内でも、オレを見ない人間が増えてきたように思える。

・・・結局そんなことは、大したことじゃなかった。あの日以来、深山先輩のことしか考えられないのだ。ただ、このまま深山先輩と会えなくなることは、オレにとっては都合がよかった。

受け入れられないのなら・・・そう考えると、逆にオレが逃げ出していることに気付き、苦笑いをこぼす日々が続いた。

 

☆   ★   ☆

 

「折原さん。これでいいですか?」

大道具スタッフの1人が、オレに大道具の確認を求めてきた。

例の、釣り鐘上の大道具の確認をする。これが大丈夫なら、大道具の仕事も終わりになる。前は、オレの不手際で修正しないと行けないようになったから、今度は入念にチェックする。

「・・・よし。これでOKだ。ご苦労様」

「それじゃ、報告、お願いします。私たちはこれから、ある程度の大道具を舞台に上げますから」

「え・・・?ちょ、ちょっと・・・」

「お願いしますね」

そう言うと、オレを除くみんなは、作業に取りかかる。

・・・仕方ない。報告だけだからな。

オレは、大道具部屋を後にした。

 

☆   ★   ☆

 

相変わらず、部室では演技の練習をしている部員達でにぎわっている。

と、部室に入ってきたオレに気付いた澪が、手を振りながらオレに駆け寄ってきた。

「よ、澪。どうだ?練習はきついか?」

「………」
ふるふる

首を振る澪。それだけ、練習が楽しいと言うことなんだろう。

「それよりもな・・・深山先輩、いるか?」

「………」
ほえ・・・?

澪じゃ話にならなそうだな。部室を見回してみる。と、みさき先輩が、壁際でつまらなそうにしているな。

「みさき先輩」

「あ。浩平君。遊ぼうよ。暇で死にそうだよ〜」

「後でな。それより、深山先輩、どこにいるかわかる?」

「深山先輩って・・・誰かな?浩平君の知り合い?」

・・・オレをからかってるのか。みさき先輩に言付けておけばいいだろう。

「深山先輩に、大道具は全て完成したって、伝えておいてくれ。」

「私、深山って言う人知らないよ?」

「何言ってるんだ・・・?」

「浩平君の言ってることの方がわからないよ。」

「・・・うそだろ?」

そう信じたかった。いつものように「冗談だよ」って言って欲しかった。でも・・・オレの願いは叶わなかった。

「嘘じゃないよ」

・・・そんな・・・

「あ。浩平君?」

まさか・・・そんな事があるなんて・・・

オレは、そのまま部室を後にした。

 

第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話
第7話 第8話 第9話 第10話 第11話 第12話
エピローグ 後書き

 

ONEのコーナーへ

戻る