|
※ このSS(?)は、Tactics制作のWin95版ソフトONE 〜輝く季節へ〜を元にしています。引用文・作品名・名称などの著作権はすべてTacticsが所持しています。
※ あ、あとゲームやってないとたぶん、というか絶対意味不明です。ぜひ買ってプレイしましょう(18歳以上になってからね)
あの告白から、一週間経った。
あの後、オレは大道具の補修もあり、大道具部屋に、そのほかの大道具スタッフと閉じこもっていた。おかげで、深山先輩にも会うことなくいられた。
別に、会いたくない訳じゃなかったが、気まずい雰囲気の仲で、何を放せばいいのか見つけるのが、うざったかったので、会わないことは、逆に都合のいい物だと思うようにしていた。
そして、あの告白と同時に、この世界と違う世界を感じるようになった。後ろを振り向けば・・・今にも、オレを飲み込もうとする世界。
そして、希薄になっていく人間関係。学校内でも、オレを見ない人間が増えてきたように思える。
・・・結局そんなことは、大したことじゃなかった。あの日以来、深山先輩のことしか考えられないのだ。ただ、このまま深山先輩と会えなくなることは、オレにとっては都合がよかった。
受け入れられないのなら・・・そう考えると、逆にオレが逃げ出していることに気付き、苦笑いをこぼす日々が続いた。
☆ ★ ☆
「折原さん。これでいいですか?」
大道具スタッフの1人が、オレに大道具の確認を求めてきた。
例の、釣り鐘上の大道具の確認をする。これが大丈夫なら、大道具の仕事も終わりになる。前は、オレの不手際で修正しないと行けないようになったから、今度は入念にチェックする。
「・・・よし。これでOKだ。ご苦労様」
「それじゃ、報告、お願いします。私たちはこれから、ある程度の大道具を舞台に上げますから」
「え・・・?ちょ、ちょっと・・・」
「お願いしますね」
そう言うと、オレを除くみんなは、作業に取りかかる。
・・・仕方ない。報告だけだからな。
オレは、大道具部屋を後にした。
☆ ★ ☆
相変わらず、部室では演技の練習をしている部員達でにぎわっている。
と、部室に入ってきたオレに気付いた澪が、手を振りながらオレに駆け寄ってきた。
「よ、澪。どうだ?練習はきついか?」
「………」
ふるふる
首を振る澪。それだけ、練習が楽しいと言うことなんだろう。
「それよりもな・・・深山先輩、いるか?」
「………」
ほえ・・・?
澪じゃ話にならなそうだな。部室を見回してみる。と、みさき先輩が、壁際でつまらなそうにしているな。
「みさき先輩」
「あ。浩平君。遊ぼうよ。暇で死にそうだよ〜」
「後でな。それより、深山先輩、どこにいるかわかる?」
「深山先輩って・・・誰かな?浩平君の知り合い?」
・・・オレをからかってるのか。みさき先輩に言付けておけばいいだろう。
「深山先輩に、大道具は全て完成したって、伝えておいてくれ。」
「私、深山って言う人知らないよ?」
「何言ってるんだ・・・?」
「浩平君の言ってることの方がわからないよ。」
「・・・うそだろ?」
そう信じたかった。いつものように「冗談だよ」って言って欲しかった。でも・・・オレの願いは叶わなかった。
「嘘じゃないよ」
・・・そんな・・・
「あ。浩平君?」
まさか・・・そんな事があるなんて・・・
オレは、そのまま部室を後にした。